セミナー報告(2019年5月22日)
セミナー報告(2019年5月22日)
SDGs時代の木材サプライチェーンの新潮流
~持続可能な製品市場に対応する木材デューディリジェンスとは?~
国連持続可能な開発目標(SDGs)に向けた取組みが各方面で見られるようになってきました。SDGsの多くは2030年までの達成目標とされている中で、森林に関する目標15では2020年までに森林の持続可能な管理実施促進による森林破壊の阻止などが掲げられています。
また目標12の持続可能な木材調達・消費の促進も重要で、森林減少・劣化に影響を及ぼすリスクの伴う木材調達・消費を確実に避けること、つまりデューディリジェンス(以下、DD)の実施が大切です。
DDの概念は、すでに企業買収や鉱物資源の調達に伴う環境・社会・人権侵害等のリスク回避措置として十分に浸透しており、今後、木材の分野でもその実施は必須となります。そしてサプライチェーンの上流か下流かによって発生するリスクに差異はあるものの、基本的にすべての企業がDDを実施することが求められます。
そこで本セミナーは、木材を国内外から直接調達されている方々のみならず、木材の使い手である家具、楽器、内装材など木質建材、建築・建設に関わる方にも、リスク情報やDDのやり方を理解していただくことを目的に、そもそもDDとは何か、森林減少・劣化に影響を及ぼすリスクとは何かという基本的なところから説明し、より持続可能な木材・木材製品の調達や消費について検討しました。
【開催概要】
日 時:2019年5月22日(水)13:30~17:00
会 場:早稲田大学 小野記念講堂
(東京都新宿区西早稲田1-6-1 27号館 地下2階)
【プログラム】
- 講演1 デューディリジェンスの実践でSDGsを達成する
株式会社 創コンサルティング 代表取締役 海野みづえ 様 - 講演2 クリーンウッド法の概要と事業者登録について
林野庁 林業・木材産業情報分析官 河野 晃 様 - 対談セッション 林野庁に聞く、これからのクリーンウッド法の展望
- 講演3 SDGs達成に向けた企業等の取組み事例紹介
・SDGsに向けて動き出した建築産業 積水ハウス株式会社 佐々木 正顕 様
・ヤマハグループの持続可能な木材調達への取り組み ヤマハ株式会社 阿部 裕康 様
【主催】
早稲田大学環境総合研究センターW-BRIDGEプロジェクト、九州大学熱帯農学研究センター、国際環境NGO FoE Japan
本セミナーは早稲田大学環境総合研究センターW-BRIDGEプロジェクト「SDGs達成に向けた持続可能な木材・木材製品調達(フェアウッド調達)の促進」の一環として開催しました。
関連リンク先
過去(2020年6月1日開催)のウェビナー「持続可能な木材調達のためのサプライチェーン管理~リスクフリーな木材製品をエンドユーザーに届けるために~」の報告はこちらをご覧ください。
過去(2019年12月5日開催)のセミナー「ESG投資でどうなる世界の森林 ~お金の流れが変われば森林減少は止まるのか~」の報告はこちらをご覧ください。
過去(2018年4月26日開催)のセミナー「ESG時代の責任ある木材調達と製品づくりとは? ~SDGsの達成に向けた木材デューディリジェンスを考える」の報告はこちらをご覧ください。
過去(2017年4月17日開催)のセミナー「世界の違法伐採問題と日本の木材消費:クリーンウッド法の効果的な実施に向けて」の報告です。詳細はこちらをご覧ください。
公表した「木材デューディジェンスガイダンス」ならびに「木材デューディリジェンスハンドブック」はこちらをご覧ください。