九州大学 熱帯農学研究センター
自然資源管理学研究室(百村研究室)

ヘイズによる健康被害抑制のための持続可能な農林業

ヘイズによる健康被害抑制のための持続可能な農林業

ヘイズによる健康被害抑制のための持続可能な農林業

東南アジアのラオス、タイ、ミャンマーでは、ヘイズ(煙害)が原因で呼吸器系疾患などの健康被害が増加している。この問題は農村部だけでなく、煙が拡散した都市部や近隣国にも影響を及ぼしている。ヘイズ発生の主な要因として、農地の火入れ地拵えや森林伐採に伴う山火事などが挙げられる。しかし、これらの農林業活動とヘイズによる健康被害との相互関係については、まだ十分に解明されていない。とくに、どのタイプの農業や森林利用が健康被害に寄与しているのかについては、研究の蓄積が不足しているのが現状である。

また、ヘイズを抑制するための法令整備や、他国に拡大する煙害に対する対策の検証も不可欠である。さらに、ヘイズによる健康被害や災害としてのヘイズに対して、レジリエンスを高めるための対策を検討する必要がある。

これらヘイズに関連する複合的な課題に対処するため、学際的な研究チームを組織し、異分野の専門家が協力して具体的な施策を検討している。この事業は、九州大学アジア・オセアニア研究教育機構のモジュール活動の一環として実施している。

ラオス南部(サワンナケート県)での農地の野焼き
ラオス北部(ボリカムサイ県)での焼畑