昆虫食に関する研究
昆虫食に関する研究
昆虫食は東南アジアにおいて広く見られますが、とりわけラオスでは昆虫を日常的に消費する人口の割合が世界で最も高いとされています.コオロギ・ケラ・バッタや糞虫などは田んぼや草地に生息し、ゲンゴロウやタガメといった水生昆虫は水路や池などの水場に、カブトムシ・タケムシ・ツムギアリなどは疎林や二次林に生息しています.これらの昆虫は、人為的な自然環境、とくに里地や里山などのもとで採取されています.
これら昆虫食は、村人たちの生活を支えるセーフティーネット(生きていくための安全な仕組み)としてだけでなく、地域独自の食文化としても長年根付いてきました.昆虫は多様な栄養素を含み、簡単に手に入ることから、村落住民にとって身近で重要なタンパク源となっています. また、昆虫は飼料から食用タンパク質への変換率が効率的なことや、飼育過程で排出される二炭素酸化が少ないという特性から、環境に負荷が少ないとされています.環境問題に対処するための解決策としても注目されており、2013年には国連食糧農業機構(FAO)が昆虫食の可能性を高く評価する報告書を発表しました.これを契機に、昆虫食は国際的な注目を集め、環境に配慮した次世代のタンパク源としての優位性が再評価されています.
しかし、ラオスでも経済発展や農業の近代化により、昆虫食の習慣が変化しつつあるとされています.人々の生業形態や生活スタイルの変化、また農薬の使用拡大など生態環境の変化が、昆虫の生息地や分布に影響を与えているされています.
そこで、ラオスの村落における昆虫食の実態、そして昆虫食がラオスにおける持続可能な生活基盤や文化において果たす役割について見据えることを目指しています.
ローカル市場で販売されている昆虫










