自然資源管理学研究室 Natural Resource Management lab.

はじめての現地調査(馮曉涵)

2021年12月05日

皆様、こんにちは。

 百村研究室のM1の留学生で、馮 曉涵(ヒョウ ギョウカン)と申します。

 2021年11月24日に佐賀県の木材会社を訪問しましたので、その紹介をさせていただきます。

 私の研究関心は、日本の木材流通、ウッドショック、持続可能な森林経営ですが、予備調査として百村先生と私たち院生は佐賀県の株式会社伊万里木材市場と株式会社中村製材所を見学しました。

 午前中は、伊万里木材市場本社を訪問しました。先生が事前にアポイントメントを取ってくださったので、会社の社員たちが親切に対応してくれました。聞き取り調査と現場案内を対応してくださったのは経営管理部の吉村さんです。吉村さんから、会社の歴史や近年の木材市場の状況を詳しく紹介していただきました。伊万里木材市場は2004年に中国木材株式会社と締結され、佐賀地域で最大規模の木材市場となりました。同時に西九州木材事業協同組合、中国木材伊万里事業所と伊万里木材コンビナートを構成し、九州地域での木材サプライチェーンを構築しました。近年、日本林野庁の提唱に応じて、サプライチェーンマネジメントの取り組みを伊万里木材コンビナートとして順調に進められ、効率高い木材サプライチェーンを構築されています。

 吉村さんは貯木場も案内してくださいました。現場に並べている丸太は主にスギとヒノキです。全ての丸太はきれいに分別され、サイズも明確に表記されています。伊万里木材コンビナートでは木材のサイズを分別する機材を備えていますが、貯木場の規模は圧巻で、大量の木が土場に並べられていて、立派な風景になります。

 

 最後に、私たちは会社のスタッフにお礼を言い、一緒に写真を撮って、これで伊万里の訪問が終わりました。

 

 

 午後は、佐賀県佐賀市の中村製材所本社を訪問しました。中村製材所の社長の中村様は先生とお知り合いで、親切に私たちに対応していただきました。社長の中村様と部長の古賀様からは、中村製材所の持続可能な森林経営に関する会社の取り組を紹介していただきました。まずは中村製材所のFSC〔Forest Stewardship Council: 森林管理協議会〕森林認証についての取り扱いを紹介しました。中村製作所はFSC製品を販売されていおり、ユーザーがFSC®マークのついた商品を優先的に選ぶことで、森林を守ることができます。近年、世界では2050年カーボンニュートラルの実現やSDGs(持続可能な開発目標)の達成には欠かせない森林保全が提唱されています。森林を持続的に管理・経営するため、適切な森林管理がなされている森林を認証するFSC森林認証の制度が生まれました。中村製作所が販売されている木材製品は品質が高くて、何より環境にも優しく、この件については私がとても感動していました。

 次に紹介していただいたのは、中村製材所様が誇る製品「SKINWOOD」です。「SKINWOOD」は、名前通り、若い木(小径の木材)をつなぎ合わせて薄くスライスした新しい突板です。中村製材所さんは日本で唯一この技術を持っている会社です。私はこれまで、木が紙のように薄く切る技術があることを知しませんでした。コストのため、多くの家具材の表面は、木目の柄が印刷された紙ですが、それでは本当の木材の質感を復元することはできません。でも「SKINWOOD」はできます。この製品はいくつかの重要な建築と工芸品に運用されており、これからこの技術とこの製品が世の中に広がっていくことが期待されています。

 これで今回の佐賀県での木材会社の訪問が終りました。

 今回の現地訪問では、私は日本について良い経験を積むことができ、いい勉強になりました。私はこれからも、しっかり研究を進めように頑張ります。

 

株式会社伊万里木材市場HP:http://www.imarimokuzai.co.jp/index.html 

株式会社中村製材所HP:https://kanejin.jp

 

 

  馮 曉涵